不断水工法とは上水道や下水道の配管工事を通水状態のまま行う技術のことで、大きく2種類に分類できます。分岐工法は1959年に開発された技術です。当初は上水道の配管工事を目的として開発されましたが、現在は下水道の工事にも利用されます。分岐工法では穿孔機と割T字管、仕切弁を使用して既設管に穴を開けます。
穴が開いた後は穿孔機を取り外して仕切弁を全閉にし分岐管やバルブを取り付けますが、割T字管と仕切弁はそのまま残ります。穿孔機のドリルが既設管に穴を開ける際に発生する切屑は水圧で押し出されて穿孔機内に取り込まれます。凍結工法は液体窒素を使用して作業部分の両端を凍結させる工法です。作業部分のみ断水が生じますが、全体的には通水状態のまま作業できます。
凍結部分はバルブの代わりとして機能するため、バルブがない場所や遠く離れた場所でも作業が可能です。不断水工法が普及する以前は古いバルブを動かして配管内の水の流れを止める必要がありました。古いバルブには一般的に赤錆が付着しているため、開閉すると剥離して水が濁ります。そのため分岐管などを設置した後に配管内の清掃が必要でした。
不断水工法では古いバルブを開閉しないため、配管内の清掃も不要です。不断水工法は工事現場一帯で断水が生じることがないため、周辺住民への告知や給水車の手配などの付帯作業が不要になります。様々な手間を省くだけでなく工事作業に必要な時間も短いため、従来の方法と比較して全体的な工事期間を短縮できます。