一口に不断水工法と言ってもその目的や配管の材質によりいくつかの方法があります。まずは目的が配管の分岐である場合、例えば道路の水道管から各個に配管を引き込む時や施設内で給水管の枝を増やしたい時に良く使われるのがサドル分水栓による不断水工法です。サドル分水栓とは既設の配管をパッキンがついた「ひ」の字状の金物2個ではさみ込ボルトナットで締め付ける事で固定し、その金物に付いている分岐用の穴から専用ドリルで既設管に穴を開けることにより配管を分岐する事ができる金物です。このサドル分水栓にはバルブ機能と横に水を逃がす機能が備わっており、専用ドリルは密閉された状態でサドル分水栓に取り付けられます。
サドル分水栓のバルブを開け、そこに専用ドリルのキリで穴を開けます。貫通すると既設管より水が出るのでそれをホース等で排水溝などに捨てつつドリルのキリを引き抜きます。その状態でサドル分水栓のバルブを閉め水を止めた後に専用ドリルを取り外すことにより不断水工法による給水管の分岐は完了です。もう一つの目的が配管の撤去や修理の場合です。
配管の材質が塩ビ配管で口径呼び径50mm以下に限られますが、撤去又は修理したい場所の手前で配管そのものを圧着機ではさみ、潰す事により全体を断水せずそれ以降だけを断水し撤去、修理を行う方法です。施工は単純ですが、配管のつぶれた部分を復旧してもある程度傷が付き弱くなるのでSKなどで補強する事をお勧めします。また緊急の修理の場合「止水こま」を使う事もあります。これはゴム製のコマを専用ハンドルに付け、配管内に差し込み、ハンドルを回すことによりコマが膨らみ止水します。
止水後ハンドルを一度取り除き、バルブを取り付けてから再びハンドルを付けてコマを回収します。ただしこの工法は水を出したままなので水浸しになりますので緊急の時にしか使えませんんおで注意してください。