上水道や下水道の配管工事を効率的に行うために開発された工法が不断水工法です。名前の通り水の流れを止めることなく工事を行うことができます。不断水工法は本管から枝管を取り出すために行われる場合と、本管の切断部に仕切弁などを挿入するために行われる場合があります。水の流れを止める方法にもバルブと補助金具を使用する方法と、施工箇所の水を液体窒素などで部分的に凍結させる方法が存在します。
不断水工法を採用することにより配管を切断することなく、穴を開けることができます。割T字管と呼ばれる補助器具を使用して行われる工法では、穿孔時に発生した既設管の欠片は水圧により穿孔機内に押し出される仕組みとなっています。そのため工事完了後に管内の清掃を行う必要がありません。工事時間を大幅に削減することができるだけでなく、工事費用も少なくて済みます。
また施工前に告知や給水車の手配などの手間も省くことができます。この割T字管を使用した工法の原理は非常にシンプルなものです。本管に割T字管を取り付けて固定します。次に仕切弁と穿孔機を取り付けます。
仕切弁を開いて穿孔機を始動して本管に穴を開けます。仕切弁を閉じ、穿孔機を取り外したら枝管を取り付け仕切弁を開けて通水を行います。本管から分岐する枝管を取り付ける場合も、バルブを取り付ける場合も基本的な方法は同じです。不断水工法が使用できるのは上水道の分岐工事だけでなく、下水道における空気弁やバルブ、バイパス用の枝管などの設置にも使用できます。